これまでにない「採用難」の時代。中小企業のみならず、採用に何らかの課題を抱え、上手く行かずに悩んでおられる経営者様や採用担当者様は多いかと思います。
「採用課題」と一言にまとめても、その種類は様々であり、課題に応じて解決策は異なります。そこで本記事では、採用課題の中から、特に多い採用課題「辞退が多い」をピックアップして、解決策と解決事例をご案内させて頂きます。
自社のお悩みを解決すべく参考として頂けますと幸いです。
<目 次>
1.面接辞退が多い
1-1.選考回数を減らす
1-2.面接日程・方法を柔軟に対応する
1-3.面接の連絡スピードを速める
1-4.カジュアル面談の実施
1-5.親身な対応を心がける
2.内定辞退が多い
2-1.面接での魅力づけをする
2-2.採用したい熱を伝える
2-3.オファー面談を実施する
1.面接辞退が多い
面接辞退が多い場合は、「面接前」に辞退が多いのか、「面接後」に辞退が多いのかによって対策が異なってきます。例えば、面接前に辞退が多いのであれば、応募者の中で自社求人に対しての選考の優先度が低かったことも原因の1つとして考えられます。これはつまり、求人での魅力付けが不十分だったということが考えられます。その場合には、求人の記載内容の工夫で採用課題を解決する必要があります。
その他にも面接辞退への対策としては以下の様なものがあります。
1-1:選考回数を減らす
応募から内定までは「3週間~1ヶ月」を目安として実施できるように選考フローを見直して頂くと良いです。面接回数が多くなるほど選考期間が長くなり、他社で先に内定が決まってしまう危険性が高まります。今や、応募者は1社のみではなく複数社応募し、そして複数内定があるというのが一般的です。自社での選考・内定が遅いために、他社での内定承諾期日が迫り、やむを得ず面接を辞退するというケースも多く聞きます。
また、応募者にとっても面接のために複数回来社したり、訪問のための休暇を都度取得することは大きな負担になります。
1-2:面接日程・方法を柔軟に対応する
応募者は、複数の企業に同時に応募している場合が多く、効率的な転職活動を行いたいと考える方がたくさんいます。また、現職企業での仕事もある中で転職活動を進める方も多く、面接候補日が少ない場合には、他社の選考日とのバランスや時間確保の難しさから面接辞退に繋がる事が多いです。
応募者の面接希望日時に合わせたり、中には夕方~夜や土曜日などで対応するなど選択肢を増やす対策が必要です。
また、時間確保が難しい応募者には、面接方法を対面だけでなくオンラインも交えながら進めるなど柔軟に対応することも必要かと思います。
1-3:面接の連絡スピードを速める
前述の通り、選考が長引くほど他社での内定が決まる可能性があります。自社で採用したい人材はもちろん他社も採用したい人材である事を踏まえ、可能な限り面接までの連絡を早めましょう。そうすることで、応募者の選考スピードに遅れを取らないことはもちろん、企業側の熱意も伝わるため、良いイメージを持ってもらえることにもつながります。また、面接前には、リマインドメールを送るのも有効です。
1-4:カジュアル面談の実施
最近では「面接」ではなく「面談」をおこなう企業が増えています。
カジュアル面談とは、一般的な選考過程である面接に比べて、双方がリラックスした状態で向き合う事ができ、応募者と企業とが互いを良く知るための場です。
面接辞退率の低い企業は、このカジュアル面談で、業務内容や就業規則などの企業の説明や、応募者の悩み、将来の悩み、今後どうしたいかなどのヒアリングと提案をおこない、相互理解を深めています。
カジュアル面談は、明確に応募意向が固まってない段階の応募者にも有効です。企業と応募者が互いをより深く知る事ができ、それぞれ情報交換をおこなうことで企業に魅力を感じ、面接を辞退せず入社を決意してくれることもあります。
1-5:親身な対応を心がける
1次面接を行った後に、自分でなくても良さそうと思い、次回面接を辞退してしまう応募者もいます。理由としては、面接時に「質問をされなかった」「質問に明確に答えてもらえなかった」などです。複数の企業に同時に応募している応募者は、他社での面接の進め方も知っていますし、形式張ったテンプレートの様な面接を行う企業からは伝わるものも少なく選ばない傾向にあります。
よくあるのが、面接官が業務内容をあまり知らなかったというケースです。面接官が業務内容に詳しく回答できず、応募先で働くイメージを持てず、面接を辞退するケースがあります。一次面接では、応募者は自分が担当する業務内容を聞き、やれるかどうかの判断をする場でもあります。面接に配属部署の責任者を同席させるなど、少しでも応募者が躯体的なイメージが持てる環境をつくる事も大切です。
また、応募者を見極めようとするあまりに、質問が意地悪になり過ぎで圧迫面接と感じる応募者もいます。職場には良好な人間関係を求める応募者も多いため、面接官としても「この人のもとで働きたい」「一緒に働きたい」と思ってもらえるような対応を心がける必要があります。
2.内定辞退が多い
面接まで来てくれるのに、内定を辞退されてしまうことは面接での入社意欲を高め切れていない可能性があります。選考スピードを上げることも重要ですが、この点を改善しないと、内定承諾率を高めることはできません。
2-1:面接での魅力づけをする
面接の役目は「見極め」と「魅力づけ」の2点です。応募者は、前述の通り複数社に応募しているケースが多いため、他社からも内定をもらう可能性があります。そのため、面接では候補者を見極めるだけでなく、自社を選んでもらえるように魅力づけする必要があります。
面接内で求職者の転職軸を確認して、自社に入社することで希望が叶うことをアピールしたり、現場社員に面接に同席してもらって疑問や不安を解消したりといった工夫が考えられます。
2-2:採用したい熱を伝える
応募者に期待を言葉で表現することで、入社意欲を高める効果が期待できます。
「なぜその応募者に決めたのか」「絶対に自社で働いて欲しい」という気持ちを個別に伝えることが非常に重要です。
応募者の入社意欲を維持できている企業は、応募者のどの能力が自社でどう貢献できるかなど、応募者が自分が必要とされていると感じることができる内容を個別に伝えています。
オファーが応募者にとって特別であるという印象を与えることが重要です。
応募者に安心感を与えるために選考中に電話をかけ、応募者の現在の気持ちや状況を聞き、いつでも相談や質問ができることを伝えることも効果的です。
「期待=入社歓迎」と感じさせることができれば、自社への手ごたえを感じ入社への不安も解消され、入社意欲を維持すことができます。
2-3:オファー面談を実施する
内定が決まり、応募者に処遇面の通知を行う際、採用通知書や雇用契約書を発行するかと思います。その際に、メールで通知書をご案内するだけでなく、オファー面談をセッティングし、対面ないしはオンラインで処遇条件や就業規則などの説明を行います。
これにより、提示処遇決定に至った背景や、今後の目指すべきポジションなどについてより具体的に聞くことができます。また、紙面上では把握できなかった就業規則や既存従業員の方の働き方など具体的に説明を受けらるため、不明点や不安事項をクリアにすることができ、内定承諾までの障害を取り除くことができます。
また、応募者が既婚者である場合、自分一人で入社先を決定することはまずなく、必ず配偶者の方にご相談されますので、ご家族で話し合いができる材料を与えてあげることにも繋がり内定承諾率が高まります。
如何でしたでしょうか。
上記はほんの一部でして、採用課題によって解決策は一つではありません。また、企業ごとにも課題は異なるため、よく原因を分析し最適な解決策を選択する必要があります。
本記事でご紹介した内容以外にも採用でお悩みの企業様は、是非一度共栄経営センターの人材紹介サービスまでお問い合わせ頂ければと思います。