KGIとKPIで、業績に効く人事評価制度の作り方

評価には定量評価と定性評価があります。
定量評価は数字で評価する方法で、定性評価はテキストで評価する方法です。

経営者あるいは評価者でれば、一度は考えたことがあると思います。

「すべて数字で評価できれば、どんなに楽か・・・。」と。

人事制度構築コンサルティングを実施している私も、まったく同感です。

定性評価にも色々な種類がありますが、その本質がテキストによる評価になるので、非常に判断が難しい。
曖昧さをなくそうとすると、評価項目や評価基準を具体的にしていく必要性がありますが、どこまで深掘りしていってもきりがないことに気づきますし、深堀すればするほど、評価項目は莫大な数になっていきます。

定性評価の苦しさから解放されたい・・・。

これが、定量評価をしたいニーズの根幹であるような気がします。

ただ、この定量評価をしていこうと決意しても、そう簡単にはいきません。
まず、評価項目(数字の設定)ができない。

営業ならノルマ的な数字目標があるので、比較的設定しやすいのですが、事務系などの間接部門はそうはいきません。
そもそも数字をもとに仕事をしていないのです。

ということで、やはりどうしても、直接部門(営業等)は定量評価、間接部門(事務等)は定性評価となるのは致し方がないと思います。

今回のテーマは、
「KGIとKPIで、業績に効く人事評価制度の作り方」
です。

主に定量評価について、ご案内したいと思いますが、上記のような考えからして、対象となる職種はあくまでも直接部門であることをご了承ください。

<目 次>
1.KGIとKPIって何
2.KGI・KPI評価の問題点
3.KGIに効くKPIの探し方
4.まとめ


 

1.KGIとKPIって何

マネジメントやマーケティング用語としてよく使われるようになったKGIとかKPIですが、別に新しい概念ではなく、言葉は違えど昔からあった概念だと思っています。

ようは、「目標(目的)」と「手段」です。

KGIは、キー・ゴール・インディケーターといって、目標値です。
KPIは、キー・パフォーマンス・インディケーターといって手段の数値化です。

この「目標」と「手段」、マネジメント及びビジネスにとって当たりませのことですし、声高に言うほどのことではありません。

ビジネスにおけるKGIは簡単です。収益です。
売上高及び利益・コストがKGIになります。その会社全体の数字を部門へおとし個人へ落としていきます。

問題なのは、KPIです。
目標を達成するために「どのような行動をとるか」を指標化していきます。

「売上を上げよう」というのは、誰でも言うことができます。
しかし、「●●と●●を実行することで、売上を上げよう」というのは、考えなければいけません。この●●がKPIになります。

KGIとKPIは、
KPI(手段)を実施して、KGI(目標)を達成する
という関係になっています。

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2.KGI・KPI評価の問題点

KGIとKPIを人事評価として機能させるには、クリアーにしなければいけない問題点があると思います。

先程、KPI(手段)を実施して、KGI(目標)を達成するという関係になっていると記載しましたが、この「関係」というのが問題です。

「本当に、KPIを実施して、KGIが達成できるのか」ということです。

KPIを設定するのは、マネジメントでいえば経営計画を作成したり、目標管理の計画を作成などのときですが、その場合、KPIは未来の行動に対する指標になります。
ということは、「かもしれない」の世界にすぎないのです。

期首における(行動)計画の作成は、
「KPIを実施すれば、KGIを達成するかもしれない。」
という、いわば仮説です。

あくまでも「かもしれない」が、目標に効くはずだからやってみよう
という段階にすぎません。

PDCAでいえば、Pです。

しかし、本当にKPIがKGIに「効く」かどうかは、検証してみなければわかりません。
ひょっとすると無駄なことをやっているかもしれないし、逆にKGIたる目標達成を妨げる行動になっているかもしれない。

KGIとKPIを人事評価に活かしていくためには、評価後、
「本当に、KPIを実施して、KGIが達成できるのか」
を検証する必要性があると思います。

PDCAでいえばCです。

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3.KGIに効くKPIの探し方

KGIとKPIを人事評価に活かしていくためには,検証が必要です。

ではその検証をどうするのか。

KGIとKPIの相関を見ます。

「KPIが上がれば、KGIも上がる」。これを「正の相関がある」といいます。
一方
「KGIが上がれば、KGIが下がる」。これを「負の相関がある」といいうます。
通常、KGIは売上及び利益で設定することが多いので、「正の相関」になっていることが必要ということになります。

正の相関があるというのは、以下のような図になります。

実際の例からご説明してみます。

以下のようなKGI・KPIを設定した会社がありました。

KGI:売上予算の達成、利益予算の達成
KPI:顧客平均訪問回数、休眠客の開拓

評価を検証した結果、思いもよらぬ結果がでました。
顧客平均訪問回数(KPI)と売上予算の達成(KGI)は「正の相関」があったが、
休眠客の開拓と(KPI)と利益予算の達成(KGI)は「負の相関」があった。

つまり、顧客平均訪問回数が増えれば増えるほど、売上は増加するが、
休眠客を開拓すると利益が減少する。

という結論がなりたちます。

このような分析のもと、次の人事評価の項目は、顧客平均訪問回数は残し、休眠客の開拓は削除するということになります。

このような検証を繰り返すことで、KGIに効くKPIを残し、人事評価制度の精度を高めていきます。

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4.まとめ

人事制度は、「効」かなければ意味がないと考えています。いわゆる効果性です。
今回の記事は、業績をKPIと設定しましたが、実際には部署によっては色々とあると思います。
ただ、どのようなKGIであれ、検証は必要だと考えています。
ご参考になれば幸いです。

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本記事が皆様の人事制度構築に参考になれば幸いです。

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