「これからは女性も積極的に採用していきたい」
「もともと女性社員が少なく、どうやって採用すればよいかわからない」
「社内の女性比率を上げたいけど思うようにいかない」
「女性社員を長期的に雇用したいけど残念ながら離職が多い」
労働人口の減少により激しい人手不足が続く昨今では、新卒採用だけでなく、中途採用も思うように採用が出来ないといった悩みを抱える企業が多く、採用活動の見直しを図る中で、採用ターゲットをシニアや女性、外国籍の方など幅広く考える企業が増えてきております。
一方で、これまで積極的に女性の採用に注力してこられなかった企業にとっては、どのような採用活動を実施して、どのような事に配慮し定着を図れば良いのか課題を抱えているケースも多いのではないでしょうか。
そこで当記事では、20年以上もの間、広島県にて中途採用のご支援をさせて頂いている経験値より、女性の採用および定着を成功させるコツをご紹介したいと思います。
<目 次>
1.女性採用・定着のコツ!仕事選びで女性が重視するポイントとは?
1-1.自社の働き方の多様性を検討する
1-2.女性の管理職比率を上げたいのなら、若手の時代から積極的に管理職登用を!
1-3.女性のキャリアパスに寛容な風土を
1.自社の働き方の多様性を検討する
女性からの応募を増やしたいのであれば、先ずは女性の考えを理解した採用活動が必要になります。また、女性は自分のライフステージに合わせて仕事や職場に求めることが変化します。よって、それらを女性一様として捉えるのではなく、自社で採用ターゲットと考える女性層が、いったいどういった観点や視点でお仕事を探し、どのような思考を持っているか、しっかり理解した上での採用や定着に取り組むことが重要となります。
近年では共働きが当たり前の時代になり、男性が家事や育児に積極的に参加するケースも増えていますが、それでも依然女性側の家事や育児のウエイトは高く、いざ女性が仕事を探す場合には、男性よりも多くの障害や不安を感じるものです。
良く聞かれる懸念点としては、
・自分が働く事で子供に目が行き届かなくならないかどうか
・子供が小さい頃は病気などで休むことも多くなり職場に迷惑をかけないか、
などが上げられます。
よって、子育て中の女性が仕事選びで重視する事としては、
・時間が選べること
・家庭があることへの理解を示してくれること
・何かあった際には相談しやすい雰囲気であること⇒人間関係が良い職場であること
・通勤しやすいこと
などを視点として探す傾向にあります。
既に制度を導入済の企業であれば、それらを重点的に訴求していくことで、一定数の女性からの応募が見込めるかと思いますが、未整備の企業ですと、これら実現のためには既存社員の柔軟な働き方への理解であったり、就業規則等の見直しを行う必要がありますので決して簡単な作業ではありません。
しかしながら、これらを充実させることは、将来育児世代になるであろう現在の若手層の将来的不安を払拭し、結果的に離職を低減させることにもつながっていきます。
会社の将来性という長期的な目線で捉えて頂き、女性の採用を機会に新たな働き方を検討する事も今後の経営戦略に深く関係していく事と思います。
1-2 女性の管理職比率を上げたいのなら、若手の時代から積極的に管理職登用を!
2016年に施工された「女性活躍推進法」にて女性の働きやすい環境づくりを求められる今、女性の管理職登用の実施義務を負う企業もあるのではないでしょうか。
法律が施行され、実施義務を負う企業が声高に女性の管理職比率向上策を叫んでも、そもそも管理職になりたくないという女性の声も多く耳にしますが、これら背景には女性特有の思考が複雑に絡んでいる様に思います。
その中でも特に、「責任ある仕事をこなすことへの漠然とした不安」や「将来的に家庭を持った時に仕事と家庭の両立が出来るか不安」といった思いを抱いている事が大きく影響しているのではないでしょうか。
結婚や出産、子育てなどのライフイベントによって、キャリアが左右されやすい女性にとっては、長期的なキャリアを描く事が難しいことが管理職を敬遠してしまう理由となるのであれば、女性がライフイベントに左右されにくく、仕事に全力投球できる若手の時代から、責任あるポジションを任せることで、マネジメント能力を磨き、自信をつけさせることが重要かと思います。
それら経験をした上で、出産・子育による休暇を取得し数年のブランクを抱えて復職する場合ですと、未経験の場合と比較し、今後のキャリアパスへの不安が大きく払拭できるのではないでしょうか。
日頃より当社に転職相談に来られる女性求職者の方からお聞きする転職理由の1つとして、「現職では長期的なキャリアパスを描けない」という意見を多く耳にします。
当社が正社員求人のみのマッチングを行っていることもあり、これまで総合職としてのキャリアを構築してこられた女性が大半となります。
その様な優秀な女性が抱える悩みとしては、
・総合職として入社したがサポート業務しか経験させてもらえない
・女性だから長期的なキャリアパスを真剣に相談できる風土がない
・女性ゆえに仕事への評価に公平性を感じられない
などです。
能力や経験がありながらも、それらを発揮できる風土が現職企業にない事に課題を感じておられます。
業界特性として身体的に女性が難しい業界もありますが、労働人口が減少の一途をたどる中、これから採用難に陥るであろうと予想できる企業については、女性のキャリアパスに目を向ける必要性はないか検討頂くべきではないかと思います。
そのために、先ずは経営者自らが旗振り役となり、役員や管理職の意識改革を図っていく事が重要です。
その上で、先ずはキャリアパスを希望する女性の声を真に聞く仕組みを導入される事をお勧めします。