中途採用で成功する会社

1997年より人材紹介事業をスタートして20数年、共栄経営センターでは、長きにわたりここ広島県にて中途採用のニーズをお持ちの企業様と、広島での就業を希望される求職者の方のマッチングを行って参りました。

その間、中途採用市場を見ておりますと、労働人口の構造変化、景気変動による有効求人倍率の上下、WEBメディアやSNSの台頭による採用手法の多様化などによって変化が著しくなってきているように感じます。一方で、求職者側においても、働く価値観や働き方などの多様化が進みこれからもその流れは変わらない中で、企業側が持つこれまで通りの採用方針や採用手法では、本当に欲しい人材の採用がますます難しい環境になりつつあります。

そんな複雑化する環境下で日々採用のご支援させて頂く中で、最近の特徴として中途採用で失敗する企業と成功する企業の二極化がより一層進んでいることを感じます。自社の置かれた環境に目を向けずこれまでのやり方を踏襲する企業と、危機感を感じ新しい取り組みにチャレンジする企業。
今回は、中途採用で成功する企業の特徴について、具体例を上げながらご紹介したいと思います。

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<目 次>
1.中途採用で成功する会社の特徴
 1-1.会社全体で採用活動を行う
 1-2.選考スピードが速い
 1-3.通年採用やオープンポジションでの採用志向も持っている
 1-4.情報の公開・事実の開示に前向きである
2.まとめ


 

1.中途採用で成功する会社の特徴

 
1-1:会社全体で採用活動を行う

中小企業の採用活動では、採用専任の担当者を置けない、採用自体に時間をかけることができない、採用活動に予算をかけることができない、など、大規模で計画的な採用を行うことができる大企業と比較して多くの制限があります。
知名度が高い大企業でさえ、時間やお金をかけても思うような人材が取れない時代であるにも関わらず、知名度だけでなくリソースでも大企業と比べて大幅に不利になってしまうのです。

解決策として、社員全員が採用担当者になるという方法があります。例えば「役員や管理職だけでなく希望の部署の社員が面接官の一人となる」「応募者の印象や感想を社員全員で共有する」など社員全員が採用活動に関わることで、リソース不足の解消につながります。また、その他メリットとして、採用に関与したことにより配属部署のメンバーに当事者意識が芽生え、より結束力のある組織やチームへと成長する可能性も期待できるのではないでしょうか。

また、求職者側の印象としても、選考で役員や管理職だけしか接点が持てない場合、会社の雰囲気が把握しづらく、面接で入社意欲を高めるきっかけを得ることができず、結果的に決断しづらい思いをされておられる方を多く見てきました。同じ環境で働くメンバーと面接で接点を持てることで、自分がそこで働いていることをより具体的にイメージすることができるようになりますし、その様な採用手法を取っている企業に対し、悪いイメージを持つ求職者は存在しないかと思います。また、従来の採用手法とは違う新しいやり方にチャレンジしている=先進的でチャレンジングな会社というプラスのイメージを持って頂けるきっかけにもなりますし、自身の採用に関わる方が多いことで採用段階から大事にされていることを感じ、入社後の帰属意識の高まりにも繋がるのではないでしょうか。

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1-2 選考スピードが速い

中途採用に成功する会社の特徴として、良い人材を採用できるチャンスを逃しません。その特徴と一つとして、選考結果のジャッジがとても早く、面接当日ないしは翌日には判断がなされています。これは、選考基準やジャッジフローが明確化され、面接官全員に共有できているため、選考後直ぐに求める人物像かどうかの判断がつきやすいことがあげられます。

良いと思う方は、自社だけでなく併願先企業を持っていることがほとんどですし、併願先企業でも好印象を得ておられます。自社での判断が遅れたことで、他社からのアプローチするチャンスを与えてしまったとか、他社にて入社意思を固めてしまったというチャンスロスを防ぐためにも、可能な限り早い判断ができる体制を整えることが大切です。

また、採用方法として、一次選考では日程調整が比較的簡単なwebでの面接を実施しておられる企業も多く目にします。対面での面接であれば双方の理解が得やすいことは事実ですが、就業されながらの転職活動を実施される求職者が大半な現状の中、企業訪問までの前後の時間を要することを鑑みますと、まずは一次選考ではWebでの面接で双方の意向や思い、そして人物像にミスマッチがないか確認する意味での選考と位置付けて頂き、次ステップで職場見学を含む対面での面接をセッティング頂くことで、選考期間の短縮および選考の効率化が図れます。

その他の事例として1つご紹介しますと、面接確約の書類選考を実施しておられる企業もあります。ある一定基準の応募条件をクリアしていれば、面接確約での書類選考であることを求職者にお伝えし、選考ステップ途中での辞退を防ぐ方法です。ある一定基準の応募条件は企業が求める選考基準により様々ですが、例えば、「年齢」「学歴」「経験職種」「職種の経験年数」「転職回数」など明確な基準を設定し、ここをクリアしていれば全員面接対象者とするといった形です。従来あった書類選考という選考ステップを1つ免除することにより、選考スピードアップにつながります。一方で、中小企業であれば先ほども上げたように人的リソースの不足により多くの面接をこなすことが物理的に難しいため、ある程度厳密な基準値を設ける必要があるかもしれません。このあたりは、地域や募集職種や条件面によって応募率が異なってきますので、実際に採用活動を進める中で調整していく必要があります。

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1-3 通年採用やオープンポジションでの採用志向も持っている

当社の様な人材ビジネスに携わる企業であれば周知の事と思いますが、採用企業様においては普段あまり聞きなれない言葉かもしれません。「オープンポジションって何??」と思われた方も多いのではないでしょうか。障がい者雇用マーケットにおいてはよく出てくる言葉なのですが、簡潔に説明しますと「あらかじめポジションを定めず、選考を通じて配属先を決める」というものです。その他に「ポジションサーチ」「ポジションマッチ」などと言った呼び方をすることもありますがどれも同じ意味合いです。
もしかしたら、既にどの企業でも、求人への応募があれば自然と実施している事かもしれません。例えば、間接部門の職種への応募者のご経歴から、希望職種ではない営業職ポジションでの提案を行うといった事です。ただし、中途採用に成功している企業の特徴としては、「通年採用」や「オープンポジション」での採用を対外的に公言しておられることです。これにより、休職者は勿論の事、我々のような採用支援を行う人材ビジネス企業にとっても、求人企業に貢献できそうな方を様々な角度でご提案することができます。常に間口を狭めず求職者がいつでもドアを叩ける環境にあることで、優秀な方を採用できるチャンスを逃しません。また、実際の応募者の経歴から、関連部署と検討の結果、これまで顕在化していなかった採用ニーズが浮かび上がることもあると思います。
一方で、これらを実現するためには、やはり会社全員での採用を行うこと、採用担当者任せではなく全員が当事者意識をもって人材採用を行なうこと、採用担当者は各種関連部署と日々人材戦略や採用課題について共有しておくことなどが重要です。

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1-4 情報の公開・事実の開示に前向きである

インターネットで何でも情報収集できる時代においては、採用活動でも情報の公開・事実の開示の重要性がますます高まっているように思います。採用に成功している企業の求人票を見ていますと、特に、仕事内容・今回の募集背景・人員構成などを詳細にわたり公開しているケースが多いです。求職者が求人票のどこを一番見ているかというと、仕事内容です。ここから得る情報によって、実際に自分が活躍できそうかイメージし、応募可否を判断をします。よって、この部分の詳細情報を公開することは、今や中途採用では必須であるとお考え頂くべきです。

また、求職者は、公開されている求人情報や企業のホームページに書いてあることをそのまま受け取ることはありません。日々面談をさせて頂く求職者の方々も、求人情報から興味を持った企業が、様々な関係性の各方面からどのように評価されているのか、インターネットでくまなく調べていますし、企業に関する口コミサイトも良く見ておられます。就職先人気ランキングにランクインする企業であっても悪い口コミも存在しますので、面接など選考では、良いことも悪いこともオープンにし、求職者からの「信頼」を得ていく作業であるとお考え頂くとよいかと思います。そして、事前に事実を開示することでボタンの掛け違いを未然に防ぎ、本当に自社にマッチする人材を採用する結果にもつながります。


 

2.まとめ

知名度ならずリソース不足でどうしても大手と比較し採用力を発揮できないと悩む中小企業の経営層の方々も多くおられることと思います。そんな中でも、確実に自社で活躍する優秀な人材を採用しておられる企業も、ここ広島にも多く存在いたします。普段は、その様な企業様の採用手法を耳にされる機会はないかと思いますが、今回記事にさせて頂く事で、今後の採用方法の見直しやブラッシュアップにお役立ていただけると幸いです。

今回の記事が、企業様と求職者の方の双方にとって良いご縁に繋がる一助となればと切に願います。

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