コロナ禍の社会において、事業規模縮小や撤退を避けられないといった影響も出ている中、共栄経営センターの事業の3つ柱のひとつ、M&A仲介事業の立ち上げから今年で20年を迎えるにあたり、弊社会長河野へ事業立ち上げ当時からM&Aの今後についてなどインタビュー致しました。
M&Aについてご関心をお持ちの方に参考としていただける部分もあるので、是非ご参照くださいませ。
Q どのような経緯でM&A仲介事業の立ち上げに至ったのでしょうか。
共栄経営センターを1982年に創業し、当初は経営コンサルティング事業をメインで行っていました。クライアントのコンサルティングを行う中で、人材確保に関する課題が多くありその解決のため、社外人事部としてご支援すべく、1997年には当時広島県内では3社目となる人材紹介事業を開始致しました。
そしてこの2本柱で事業を行う中で、次に直面したのが、企業の後継者問題や先行き不安に対する不安を抱える経営者の声でした。
こうした不安を解消するためにベストな方法として2001年に開始したのがM&A仲介事業です。そして当社の経営における3本柱である、経営コンサル・人材紹介・M&A仲介の3事業体制を確立し現在に至ります。
Q M&A仲介事業において、(株)日本M&Aセンターと提携していますが、提携に至った経緯を教えてください。
M&A仲介事業を開始した2001年頃、広島県内では弊社の他に地元銀行がM&A仲介事業を行っているだけでした。
そうした中、後継者問題など企業の将来性・先行き不安を抱える企業からのM&Aニーズはあるものの、M&Aを仲介するにあたり譲受企業としての「お相手探し」が必要であり、譲受企業を広げるにあたり提携先を広く探しておりました。
そこで出会ったのが(株)日本M&Aセンター(以下、日本M&Aセンター)でした。
当時の日本M&Aセンターは会計士が中心となり、中小企業に特化したM&A仲介事業を行っていた点に目をつけ、大阪支社へ私が飛び込み提携をしたことがきっかけです。
Q 大手M&A仲介企業3社であるM&Aキャピタルパートナーズ(株)や(株)ストライク、(株)日本M&Aセンターのそれぞれの報酬体系は、着手金の有無や完全成功報酬制などがあるようですが、具体的にはどういった違いなのでしょうか。
日本M&Aセンターの他2社との違いとしては、中小企業のM&Aに特化している点と言えるでしょう。
また、着手金の有無によって他社との差別化を図る企業もあります。着手金とは、M&Aを仲介する際の活動費の実費に充当するものでありコンサルタントにとっての原価となるものでありますが、一方で譲渡企業から譲渡の意思が固まっているかどうかの確認(意思表示)を意味する重要な役割を持っています。
着手金の相場は100~500万円程と決して安いものではありませんが、この受領と契約によってコンサルタントは譲渡企業の譲渡に対する意思確認をさせていただき、より良いM&Aが成立するよう尽力することを誓約することができると私は考えます。
Q M&A業界においてもネットマッチングなどオンラインでの取引が加速しているようですが、これについてはいかがでしょうか。
日本M&Aセンターであれば「バトンズ」、ストライク社であれば「M&A市場SMART」など、各社ネット上でのM&A仲介には早くから着手しています。
欧米のM&A市場では先行して導入されています。比較的に小規模案件で利用され、案件の大きさによりネットマッチングか直接コンサルタントが仲介するかどうかが決定されており、現状では特に各県の事業承継支援センターや金融機関が積極的に行っている傾向にあります。
Q 2020年からのコロナ禍において、M&A市場が活発化していると聞きますが、日々の業務上での変化などについて教えてください。
長期化しペンディングになっていた案件が具体化し、実際に動き始めるなど実際に私の周りでも起こっています。
コロナ禍の傾向として、60代以上の経営者の多くは同世代の著名人のコロナ感染ニュースなどから命の危険を感じたこと、そして2020年4月の緊急事態宣言時から経営状況が右往左往し資金繰りが厳しくなったことなどから、2020年9月頃からM&Aが激増する兆しが現れ始めたと言われています。
具体的には、コロナによって経営不安や経営意欲の消失から、後継者不在の経営者が事業承継の前倒しを考えるケース。
親族へ継ぐつもりだった経営者がリスクに弱い会社を継がせることは不幸に繋がると親族承継からM&Aへと舵を切るケース。
また、経営の悪化から再度の借り入れが必要となり黒字化の目途が立たず傷が深くなる前に廃業かM&Aを選択するケースなどです。
Q 上記のような現状について、企業はどのように対応していくべきだとお考えですか。
これまで事業承継パターンでのM&A仲介を多く扱ってきましたが、コロナ禍におけるM&Aは災害時などと同様に緊急性があり先延ばしにすることができません。
まず考えるべきは「リスクに耐え得る企業になる」ための手段だと言えます。
そのためには、例えば取引先を現状だけのルートではなく他社と提携することで、販売ルートの2本化するなどの「パートナー戦略」が最適であると考えます。
大手企業の傘下に入るのか、追い風業種への譲渡するのか、それぞれ経営者に合った選択の見極めが必要となるでしょう。
そして、コロナ禍の今も、戦略性の強いしっかりとした基盤を持つ譲受企業はM&Aへと動き続けていますので、今M&Aを検討されても「お相手は見つかる」状況にあります。
共栄経営センターのM&A仲介事業は、提携企業である(株)日本M&Aセンターとの20年前の出会いにより現在も弊社の重要な事業の1つとしてあります。
企業と企業の出会いによるシナジーやパートナーシップの確立の重要性ついて、コロナ禍の今、改めて考えさせられました。
中小企業の経営者の方々にとって少しでもヒントとなると幸いです。
(インタビュワー:佐藤)
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共栄経営センターでは、いち早く事業承継問題に取り組み、数多くのM&A仲介実施を積んでまいりました。
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